制作裏話
ペンギン観察日記 — コンセプトの掘り下げ
DANSE PENGUIN MODE 編集チーム / 2026年4月8日

DANSE PENGUIN MODE のキャラクターを描き始める前、私たちは数か月間、実際の水族館でペンギンを観察し続けました。今日はその観察日記の一部と、そこから生まれたキャラクターデザインの考え方をお伝えします。
「可愛い」を分解する
ペンギンは「可愛い」生き物です。これは多くの人が共有している感覚ですが、では「何が可愛いのか」を言葉にできるかと言うと、実は難しい。私たちはまず、この「ペンギンの可愛さ」を構成する要素を分解する作業から始めました。
水族館に通い、種類の異なるペンギンを順番に観察し、彼らの動き、佇まい、群れ方、休み方を記録していきました。
観察記録の中で見えてきたこと
数か月の観察を経て、私たちは「ペンギンの可愛さ」が以下の要素の組み合わせから成り立っていることに気付きました。
1. 二足歩行の不安定さ
ペンギンは鳥類でありながら、地上では二足歩行をします。しかも、その歩き方は決して効率的ではなく、左右にゆらゆらと揺れながら進みます。この「がんばっているけれど不器用」な様子が、可愛さの大きな源泉のひとつです。
2. 顔の作りのシンプルさ
ペンギンの顔は、点のような黒い目、小さなくちばし、そして白と黒だけの配色という、極めてシンプルな構成です。情報量が少ないからこそ、見ている人が感情を投影しやすい。これは多くの愛されキャラクターに共通する特徴です。
3. 群れていながら個性的な距離感
ペンギンは群れで暮らす生き物ですが、観察していると、それぞれが微妙に違う距離感を持っていることに気付きます。常に密着している個体もいれば、群れの端で少し離れて立っている個体もいます。この「群れの中の個性」が、キャラクターとしての魅力に繋がります。
4. 佇まいの「凛とした」感じ
可愛らしさだけでなく、ペンギンには「凛とした」佇まいがあります。何か考えごとをしているように、じっと水平線を見つめている姿。これがファッションIPとして展開するうえで、非常に重要な要素になりました。
キャラクターデザインへの落とし込み
これらの観察から、DANSE PENGUIN MODE のキャラクターデザインは以下のような方針で進められました。
- フォルムは極力シンプルに保つ(顔の情報量を抑え、装いで表現する)
- 立ち姿には「凛とした」佇まいを残す
- ファッションは派手すぎず、しかし個性を持たせる
- 群れ表現の際には、一人ひとりに微妙に違うポーズを与える
特に「凛とした佇まい」は、可愛さだけのキャラクターと一線を画すための重要な要素となりました。可愛い動物キャラクターは数多く存在しますが、「ファッションを通して自分を表現するキャラクター」として成立させるためには、この佇まいの強さが必要だったのです。
観察を続ける意味
キャラクターのデザインが固まった今でも、私たちは時々水族館を訪れます。それは、最初に観察したことを「描いた図」として固定化しすぎないためです。
実際のペンギンは、毎回違う表情、違うポーズ、違う距離感を見せてくれます。これらを継続して取り込んでいくことで、DANSE PENGUIN MODE のキャラクターも、年を追うごとに微妙に表現が変化していくはずです。
固定化せず、しかし軸はぶらさない。これが「観察に基づくキャラクターデザイン」の難しさであり、面白さでもあります。
おわりに
DANSE PENGUIN MODE のキャラクターは、机の上のスケッチだけから生まれたわけではありません。実際の生き物を見て、その可愛さの正体を分解し、再構築するという作業を経て今の形になっています。
これからも私たちは、ペンギンという生き物への敬意を持ちながら、IPとしての展開を続けていきます。